茶草場農法
◎茶草場農法の始まり
ここ深蒸し茶の産地東山は100年以上前より茶草場農法を行ってきました。
もとは伝来、家の茅葺きの為に刈っていたところ、家も瓦に代わり必要性がなくなってきましたが、
「東山の深蒸し茶がより良い物に」
という先人たちの思いで手間暇をかけ草を茶畑に入れ始め たのが茶草場農法の始まりだと考えられています。
今でもその名残として「茅ん場」(かやんば)という地名があります。
当園では初代よりこの茶草場農法を行い茶畑に敷いてきました。
◎茶草場農法とは?
「ひと手間かけてより高品質な茶を」
という信念から生まれ、通常のお茶栽培に組み込んだ伝統農法です。
季節は秋から冬に
「茶草場の草を刈り→束ね→乾燥→裁断→茶園に敷く」
といった作業を行います。
茶草場にて草刈中
茶園に茶草を敷く作業風景
◎茶草場とは?
茶園に敷くササやススキ等を刈り取るための半自然草地のことです。
◎茶園・お茶へどのような効果がある?
・土中微生物の繁殖を助けることで土壌が改善される
・茶草は分解され有機質堆肥となり土壌が肥え、茶の生育、味や香がよくなる。
・土壌肥料の流亡を防ぐ
・雑草を生えさせない除草効果
・夏は保湿、冬は保温効果
・作業機械での踏圧抑制効果
等、多くの利点があることで行われてきました。
◎茶草場で育まれる生物多様性
一年に一度、長年行われてきた草刈りが多様な生物が生息できる特別な場所となり、
300種類以上の草地性植物が観察ができ「秋の七草」や固有種・絶滅危惧種7種類
も確認されています。このように農業と生物多様性が共生していることが
”世界から評価され世界農業遺産に認定されました“